作詞家・作曲家の権利 JASRACとの関係性

著作物の「作詞家・作曲家の権利 JASRACとの関係性」をテーマに、著作権専門の弁護士がわかりやすく解説します。著作権法に関することはなかなか理解しにくいため、トラブルなどが起きたときやトラブルを未然に防ぐためには著作権の専門の弁護士にご相談ください。

作詞家・作曲家の権利について紹介します。

音楽関係者からの著作権のご相談も比較的多いですが、少々複雑な法律関係、契約関係になっています。但し、ある曲の作詞を行った人(作詞家)や作曲を行った人(作曲家)には、著作権が発生していますので、それらの著作権を利用する際は、作詞家や作曲家の許諾(承諾)を得る必要があります。

音楽の著作権とは

音楽の著作物とは、音によって表現されている著作物をいいます。曲はもちろん音楽の著作物ですが、歌詞も音楽の著作物です。歌詞については、音楽の著作物でもありますが、言語であらわすものですので言語の著作物にも該当します。

音楽の著作物としては保護されるには、楽譜などに表されている必要はなく、即興の演奏などであっても保護されます。

JASRACと作詞家・作曲家の権利

もっとも、作詞家や作曲家が自ら許諾をするというのは現実的ではないことから、音楽出版社に著作権を譲渡して管理を任せたり、著作権管理事業者(例えば、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC))に管理を委託するケースが殆どです。なお、音楽出版社に著作権が譲渡されていても、JASRACに著作権管理を委託していることもあります。

音楽の著作権の引用

したがって、仮に、ブログやホームページに、ある作詞家の作詞した詩を掲載する場合は、作詞家、音楽出版社、著作権管理事業者等の許諾を得る必要があるわけです。このことは、ある曲をアップロードする場合も同様です。

なお、著作者の許諾がなくても、「引用」(著作権法32条1項)として適法になる場合もありますが、ここでは「引用」の要件を満たさないものとして解説します。

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大熊裕司
弁護士 大熊 裕司
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