判例紹介 編集著作物著作者智惠子抄 「智惠子抄事件」──編集著作物の著作者は誰か(最判平成5年3月30日) 2026年4月20日 1. はじめに 詩集『智惠子抄』。高村光太郎が亡き妻・智惠子への想いを綴った詩を、長年にわたる創作のなかから選び出して一冊にまとめた、戦前から戦後に読み継がれる日本文学の古典です。 では、この「詩集」という一個の編集著作物の著作者は誰でしょうか。個々の詩を書いたのは光太郎本人です。しかし、その中から何をどの順で選び、ど... 大熊 裕司
判例紹介 共同著作物ノンタン絵本 「ノンタン事件」――共同著作物の表示は覆せるか(東京高判平成11年11月17日) 2026年4月24日 1. はじめに 書店の絵本コーナーで誰もが一度は目にする『ノンタン』シリーズ。白い子猫が表紙で笑う初期三部作の奥付には、かつて二人の著作者名が並んでいました。ところが現在、書店で手に取るノンタンには、一人の著作者名しか記されていません。 奥付からひとつの名前が消えた背景には、夫婦だった二人の著作者の離婚と、その後十年近... 大熊 裕司
判例紹介 共同著作物編集著作物著作権判例百選 「編」と書かれていれば著作者か――著作権判例百選事件(抗告審)の射程と実務示唆 2026年4月24日 はじめに 法律書の奥付や表紙に「○○編」と記載されることは多いです。しかし、そこに名を連ねる者が当然に編集著作物の著作者となるわけではありません。この点を真正面から判断したのが、本稿で紹介する「著作権判例百選事件」の抗告審です(知財高決平成28年11月11日・平成28年(ラ)第10009号・判時2323号23頁)。 本... 大熊 裕司
写真の著作物 共同著作者写真ヘアスタイル 「ヘアスタイルコンテスト写真事件」──被写体をスタイリングした美容師は写真の共同著作者となるか(東京地判平成27年12月9日) 2026年4月24日 1. はじめに プロのカメラマンが、ヘアドレッサーのスタイリングしたモデルを撮影します。そこにはモデル、スタイリスト、カメラマン、そして撮影を依頼した出版社と、複数のクリエイティブが関わっています。では、その一枚の写真の「著作者」は誰なのか。髪を作り込んだヘアドレッサーは共同著作者として権利を主張できるのか。そして、コ... 大熊 裕司
判例紹介 翻案創作性差止請求共同著作物 編集著作物の著作者と認められない場合とは?――著作権判例百選事件の知財高裁決定を解説 2026年4月8日 はじめに 法学部出身の方であれば、有斐閣の「判例百選」シリーズに触れた経験があるかもしれません。重要な裁判例を精選し、各判例に研究者が解説を付すこの教材は、長年にわたり法学教育の中核を担ってきました。 判例百選の表紙には、複数の学者が「編」の表記とともに名を連ねています。しかし、「編」と記載された者が常に著作権法上の「... 大熊 裕司
著作物 生成AIAI学習著作物プロンプト AIで作った文章・画像に著作権はある?―「人の創作性」が入ったかで結論が変わります 2025年12月28日 AIで作った文章・画像に著作権はある?―「人の創作性」が入ったかで結論が変わります... 大熊 裕司
判例紹介 複製権著作者人格権契約同一性保持権 大学の先生が書いた研究報告書、著作権は誰のもの? 2025年5月26日 今回は、大学の先生が行った研究の成果、例えば研究報告書などの著作権が誰に帰属するのか、という少し難しいけれど大切な問題について、一つの裁判例「北見市環境調査報告書事件」をもとに分かりやすく解説してみたいと思います。... 大熊 裕司
判例紹介 損害賠償契約差止請求職務著作 職務著作か個人著作か─ファッション色彩判決を徹底解説 2025年3月31日 以下のブログ記事は、令和6年12月25日に言い渡された知的財産高等裁判所判決(損害賠償等請求控訴事件・令和6年(ネ)第10035号・裁判所ウェブサイト)および、令和6年3月25日に言い渡された原審・東京地方裁判所判決(損害賠償等請求事件・令和5年(ワ)第70315号・裁判所ウェブサイト)を題材に、いずれも「著作権法上の... 大熊 裕司
著作者 著作者人格権契約佐村河内事件 ゴーストライター契約と著作権法 2024年8月31日 ゴーストライター契約とは、著作者としての名前が公表される人物(著作名義人)と、実際に著作物を創作する人物(ゴーストライター)との間で結ばれる契約です。この契約に基づいて、ゴーストライターが創作した著作物が、著作名義人の名で公表されることになります。このような契約は、一般的に合法とされている一方で、社会的な評価や道徳的な... 大熊 裕司
著作者 音楽契約小説 ゴーストライターとは 2022年11月24日 著作者の「ゴーストライターとは」をテーマに、著作権専門の弁護士がわかりやすく解説します。著作権法や著作物・版権などに関することはなかなか理解しにくいため、トラブルなどが起きたときやトラブルを未然に防ぐためには著作権の専門の弁護士にご相談ください。... 大熊 裕司