美術の著作物 応用美術家具TRIPP TRAPP 【詳細解説】TRIPP TRAPP事件―子ども用椅子のデザインは著作物か?応用美術の保護範囲を大きく広げた知財高裁判決 2026年4月19日 1. はじめに―「実用品のデザイン」に著作権は及ぶのか? 家具、文具、アクセサリー、家電製品。私たちの身の回りには、デザイン性の高い実用品が数多くあります。それらの形状や模様が他社に模倣されたとき、デザインした側はどの法律で守られるのでしょうか。 真っ先に思い浮かぶのは「意匠法」ですが、意匠権は特許庁への登録が必要であ... 大熊 裕司
地図、図形の著作物 住宅地図損害論ゼンリン 地図のコピーは著作権侵害?ゼンリン住宅地図事件(賠償約2億円)をわかりやすく解説 2026年7月20日 【この記事の3行まとめ】 住宅地図をコピーして業務に使っていたポスティング会社に、裁判所は約2億1296万円の損害賠償責任を認めました(請求は一部請求3000万円のため認容はその範囲) 地図は「事実を写しただけ」に見えても、情報の取捨選択・表示方法・検索の工夫に個性が表れていれば著作物として保護されます 損害額は1頁あ... 大熊 裕司
美術の著作物 応用美術設計図 応用美術と設計図の著作物性――スモーキングスタンド事件(東京地判平成9年4月25日)をTRIPP TRAPP最高裁判決から読み直す 2026年6月7日 1 はじめに 工業製品のデザインは、どこまで著作権法によって保護されるのでしょうか。椅子、テーブル、灰皿スタンド、文房具――いずれも機能性と美しさを兼ね備えた「応用美術(applied art)」と呼ばれる領域ですが、わが国の著作権法はこの領域について明文の規定を置いていません。そのため、工業製品のデザインが著作物にあ... 大熊 裕司
判例紹介 損害賠償契約依拠性漫画 出版4社対Cloudflare事件――CDN事業者の幇助責任とキャッシュ送信の著作権法上の評価 2026年4月9日 事案の概要――海賊版サイトとCDNサービスの関係 大手出版社4社(KADOKAWA・講談社・集英社・小学館)が、海賊版漫画サイトにCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)サービスを提供していた米国Cloudflare社に対して出版権侵害に基づく損害賠償を求めた事案です。令和7年11月19日、東京地裁は約5億円の賠... 大熊 裕司
判例紹介 複製権公衆送信権私的使用 企業内での著作物コピーと私的使用の限界――著作権法30条1項の適用範囲と公衆送信権の交錯 2026年4月9日 はじめに――企業における著作物利用の著作権法上の課題 業務の一環として市販の書籍を複写したり、新聞記事をPDF化して社内サーバーに格納したりといった行為は、多くの企業で常態化しています。しかしながら、これらの行為が著作権法上どのように評価されるかについては、必ずしも十分な認識が共有されているとは言い難い状況にあります。... 大熊 裕司
判例紹介 損害賠償翻案創作性差止請求 類似するゲーム画面と翻案権侵害――釣りゲータウン事件が示した「全体比較論」の射程 2026年4月9日 はじめに 「このゲーム、あの人気タイトルとそっくりだ」――スマートフォンゲームの世界では、ヒット作が現れるたびに類似作品が登場するのが常です。しかし、画面構成が似ているだけで著作権侵害が成立するわけではありません。 本稿では、携帯電話向け釣りゲーム同士の著作権侵害が争われた「釣りゲータウン事件」(知財高裁平成24年8月... 大熊 裕司
著作権の利用 美術の著作物引用写真の著作物私的使用 絵画を買っても著作権は手に入らない?――所有権・展示権・契約によるオーバーライド問題を整理する 2026年4月9日 はじめに お気に入りの画家から直接購入した一枚の絵。自宅に飾って眺める喜びは格別ですが、友人のレストランオーナーから「店にも飾りたい」と言われたとき、あなたは迷わず「いいよ」と答えられるでしょうか。 実は、絵画を購入して手に入るのは「物としての所有権」であって、「著作権」は画家のもとに留まります。そして著作権のなかには... 大熊 裕司
判例紹介 著作者人格権同一性保持権氏名表示権公表権 卒業文集に掲載された詩は「未公表」か?――中田英寿事件に見る公表権と著作権法上の「公表」概念 2026年4月9日 はじめに 中学や高校の卒業文集に寄せた詩や作文――それは多くの方にとって懐かしい思い出のひとつでしょう。しかし、その文集に収められた作品が、年月を経て無関係の出版社によって商業書籍に無断転載されたとしたら、どのような法的手段で自分を守ることができるのでしょうか。 本稿では、日本を代表するサッカー選手の中学時代の詩をめぐ... 大熊 裕司
判例紹介 翻案創作性差止請求共同著作物 編集著作物の著作者と認められない場合とは?――著作権判例百選事件の知財高裁決定を解説 2026年4月8日 はじめに 法学部出身の方であれば、有斐閣の「判例百選」シリーズに触れた経験があるかもしれません。重要な裁判例を精選し、各判例に研究者が解説を付すこの教材は、長年にわたり法学教育の中核を担ってきました。 判例百選の表紙には、複数の学者が「編」の表記とともに名を連ねています。しかし、「編」と記載された者が常に著作権法上の「... 大熊 裕司
著作権侵害 複製権引用公衆送信権SNS 無断転載はどこから違法?著作権侵害の基準とSNSでの対処法を弁護士が解説 2026年4月8日 この記事のポイント(3行まとめ) 無断転載=他人の著作物を許可なく複製・公開する行為で、原則として複製権・公衆送信権の侵害にあたる 適法な「引用」(著作権法32条)の要件を満たす場合は例外的に許される 被害を発見したら、証拠保全→通報→削除請求→発信者情報開示→損害賠償の順で対応する X(旧Twitter)やInsta... 大熊 裕司