写真の著作物 創作性商品写真 商品写真に著作権は認められるか―スメルゲット事件で示された「限界事例」の判断枠組み 2026年7月28日 1. はじめに―ネット通販の「商品写真」を無断利用されたら? ECサイトやネットショップを運営している方であれば、一度は「自分が撮った商品写真を、同業他社にそっくりそのままコピペされた」という経験があるのではないでしょうか。逆に、仕入れた商品を転売する際に「メーカーのサイトに載っている写真をそのまま使ってしまった」とい... 大熊 裕司
美術の著作物 タイプフェイス書体ゴナU タイプフェイスに著作権は認められるか――ゴナU事件が示した「印刷用書体」著作物性の高いハードル 2026年7月28日 はじめに 新聞広告、書籍、街角の看板、駅の案内標識――私たちが日常目にする文字の一つひとつは、必ず何らかの「書体(タイプフェイス)」でデザインされています。書体デザイナーは、一つの書体を完成させるまでに数年がかりの労力をかけることもあり、創作物としての色彩は決して薄くありません。 では、こうしたタイプフェイスは、著作権... 大熊 裕司
地図、図形の著作物 損害論住宅地図ゼンリン 地図のコピーは著作権侵害?ゼンリン住宅地図事件(賠償約2億円)をわかりやすく解説 2026年7月20日 はじめに――「地図のコピー」は日常業務に潜むリスク 配達エリアの管理、訪問営業のルート作り、物件案内――住宅地図をコピーして使う場面は、多くの会社の日常業務に紛れ込んでいます。「事実を描いただけの地図に著作権なんてあるの?」と思われるかもしれません。 この問いに明確な答えを出したのが、本記事で取り上げるゼンリン住宅地図... 大熊 裕司
美術の著作物 応用美術設計図 応用美術と設計図の著作物性――スモーキングスタンド事件(東京地判平成9年4月25日)をTRIPP TRAPP最高裁判決から読み直す 2026年6月7日 1 はじめに 工業製品のデザインは、どこまで著作権法によって保護されるのでしょうか。椅子、テーブル、灰皿スタンド、文房具――いずれも機能性と美しさを兼ね備えた「応用美術(applied art)」と呼ばれる領域ですが、わが国の著作権法はこの領域について明文の規定を置いていません。そのため、工業製品のデザインが著作物にあ... 大熊 裕司
判例紹介 損害賠償契約依拠性漫画 出版4社対Cloudflare事件――CDN事業者の幇助責任とキャッシュ送信の著作権法上の評価 2026年4月9日 事案の概要――海賊版サイトとCDNサービスの関係 大手出版社4社(KADOKAWA・講談社・集英社・小学館)が、海賊版漫画サイトにCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)サービスを提供していた米国Cloudflare社に対して出版権侵害に基づく損害賠償を求めた事案です。令和7年11月19日、東京地裁は約5億円の賠... 大熊 裕司
判例紹介 複製権公衆送信権私的使用 企業内での著作物コピーと私的使用の限界――著作権法30条1項の適用範囲と公衆送信権の交錯 2026年4月9日 社内会議用の資料コピーや記事回覧は「私的使用」にならない?企業内複製が著作権侵害となる理由と、適法にする方法(許諾・クリッピングサービス等)を弁護士が解説。... 大熊 裕司
判例紹介 損害賠償翻案創作性差止請求 類似するゲーム画面と翻案権侵害――釣りゲータウン事件が示した「全体比較論」の射程 2026年4月9日 はじめに 「このゲーム、あの人気タイトルとそっくりだ」――スマートフォンゲームの世界では、ヒット作が現れるたびに類似作品が登場するのが常です。しかし、画面構成が似ているだけで著作権侵害が成立するわけではありません。 本稿では、携帯電話向け釣りゲーム同士の著作権侵害が争われた「釣りゲータウン事件」(知財高裁平成24年8月... 大熊 裕司
著作権の利用 美術の著作物引用写真の著作物私的使用 絵画を買っても著作権は手に入らない?――所有権・展示権・契約によるオーバーライド問題を整理する 2026年4月9日 はじめに お気に入りの画家から直接購入した一枚の絵。自宅に飾って眺める喜びは格別ですが、友人のレストランオーナーから「店にも飾りたい」と言われたとき、あなたは迷わず「いいよ」と答えられるでしょうか。 実は、絵画を購入して手に入るのは「物としての所有権」であって、「著作権」は画家のもとに留まります。そして著作権のなかには... 大熊 裕司
判例紹介 著作者人格権同一性保持権氏名表示権公表権 卒業文集に掲載された詩は「未公表」か?――中田英寿事件に見る公表権と著作権法上の「公表」概念 2026年4月9日 はじめに 中学や高校の卒業文集に寄せた詩や作文――それは多くの方にとって懐かしい思い出のひとつでしょう。しかし、その文集に収められた作品が、年月を経て無関係の出版社によって商業書籍に無断転載されたとしたら、どのような法的手段で自分を守ることができるのでしょうか。 本稿では、日本を代表するサッカー選手の中学時代の詩をめぐ... 大熊 裕司
判例紹介 翻案創作性差止請求共同著作物 編集著作物の著作者と認められない場合とは?――著作権判例百選事件の知財高裁決定を解説 2026年4月8日 はじめに 法学部出身の方であれば、有斐閣の「判例百選」シリーズに触れた経験があるかもしれません。重要な裁判例を精選し、各判例に研究者が解説を付すこの教材は、長年にわたり法学教育の中核を担ってきました。 判例百選の表紙には、複数の学者が「編」の表記とともに名を連ねています。しかし、「編」と記載された者が常に著作権法上の「... 大熊 裕司