著作者人格権の「名誉又は声望を害する取扱い」をテーマに、著作権専門の弁護士がわかりやすく解説します。著作権法に関することはなかなか理解しにくいため、トラブルなどが起きたときやトラブルを未然に防ぐためには著作権の専門の弁護士にご相談ください。
著作権法第113条第6項では、著作者の名誉又は声望を害する方法で著作物を利用することを著作者人格権侵害とみなす旨規定しています。
本項の立法趣旨は、「著作物を創作した著作者の創作意図を外れた利用をされることによってその創作意図に疑いを抱かせたり、あるいは著作物に表現されている芸術的価値を非常に損なうような形で著作物が利用されたりすることを防ぐ」(加戸守行「著作権法逐条講義」)ことにあります。
名誉又は声望を害する著作物の利用行為とは、具体的にどういうものかというと、著名な画家の美術作品である裸婦画をストリップ劇場のポスターにしたり、宗教音楽をストリップ劇場の踊り子さんのBGMにしたりするような行為のことです。
また、この著作権法第113条第6項の行為は、著作権法第60条の「著作者が存しなくなつた後における人格的利益の保護」に該当する行為と解されていますので、著作者の死後であってもこのような行為をしてはいけないことにご留意下さい。