言語の著作物 翻案複製権依拠性小説 ネット小説の盗作主張はなぜ退けられたのか――SBクリエイティブ刊行小説への依拠性を否定した知財高裁判決(令和8年6月29日・令和8年(ネ)第10024号) 2026年8月8日 この記事のポイント 結論は請求棄却(控訴棄却)。 裁判所は、被告小説がネット公開された作品に依拠することなく創作されたと認定しており、SBクリエイティブ側に盗作があったと認定された事案ではありません 著作権侵害には「依拠性」(元の作品を材料にしたこと)と「表現の同一性」の両方が必要で、どちらか一方でも欠ければ侵害になら... 大熊 裕司
美術の著作物 翻案二次的著作物翻案権依拠性 「紋次郎いか」控訴審判決を読む――キャラクターの“デフォルメ”が翻案権侵害とされた理由と著作権法28条の射程(知財高判令和7年9月24日) 2026年7月20日 時代小説『木枯し紋次郎』の主人公をかたどった図柄を、半世紀にわたり駄菓子「紋次郎いか」の容器に使い続けてきた――。この図柄をめぐる著作権侵害訴訟で、知的財産高等裁判所は令和7年(2025年)9月24日、請求を棄却した一審判決を覆し、メーカーに約5,600万円の支払いと商品の製造販売の差止めを命じました。 「キャラクター... 大熊 裕司
判例紹介 損害賠償契約依拠性漫画 出版4社対Cloudflare事件――CDN事業者の幇助責任とキャッシュ送信の著作権法上の評価 2026年4月9日 事案の概要――海賊版サイトとCDNサービスの関係 大手出版社4社(KADOKAWA・講談社・集英社・小学館)が、海賊版漫画サイトにCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)サービスを提供していた米国Cloudflare社に対して出版権侵害に基づく損害賠償を求めた事案です。令和7年11月19日、東京地裁は約5億円の賠... 大熊 裕司
判例紹介 損害賠償翻案創作性差止請求 類似するゲーム画面と翻案権侵害――釣りゲータウン事件が示した「全体比較論」の射程 2026年4月9日 はじめに 「このゲーム、あの人気タイトルとそっくりだ」――スマートフォンゲームの世界では、ヒット作が現れるたびに類似作品が登場するのが常です。しかし、画面構成が似ているだけで著作権侵害が成立するわけではありません。 本稿では、携帯電話向け釣りゲーム同士の著作権侵害が争われた「釣りゲータウン事件」(知財高裁平成24年8月... 大熊 裕司
著作権侵害 依拠性類似性生成AIAI学習 AI生成物に著作権はある?生成AIと著作権法の関係をわかりやすく解説 2026年4月8日 ChatGPTやMidjourney、Stable Diffusionなどの生成AIの普及により、「AIが作った文章や画像に著作権はあるのか」「AIに自分の作品を学習されたらどうすればいいのか」というご相談が急増しています。 この記事では、AI生成物と著作権法の関係について、現行法の解釈と実務上の注意点をわかりやすく解... 大熊 裕司
判例紹介 依拠性類似性生成AI著作権侵害の要件 依拠性とは?著作権侵害の2大要件を判例でわかりやすく解説【生成AI対応】 2026年2月11日 著作権侵害の2大要件「依拠性」「類似性」を判例でわかりやすく解説。生成AIの出力が既存作品に似てしまった場合の考え方まで、著作権弁護士が整理します。... 大熊 裕司
著作権侵害 依拠性類似性生成AI30条の4 AIイラストは著作権侵害になる?「依拠性」の考え方と回避策をわかりやすく解説 2025年12月17日 依拠とは 「他人の作品を手がかりにして、自分の作品を作っているかどうか」ということを指します。 AIが登場したからといって、著作権の仕組みがゼロから作り直されたわけではありません。 人が創作する場合に使われてきた「依拠」の考え方を、AIにもどう応用していくか ──その調整作業が今まさに進んでいる、というイメージに近いで... 大熊 裕司
著作物 翻案複製権創作性二次的著作物 二次的著作物とは(2) 2024年8月31日 著作権法は、創作された著作物に対して著作者に一定の権利を付与し、その権利を保護することを目的としています。著作物とは、創作的な思想や感情を表現したものであり、小説や絵画、音楽、映画などがその典型例です。しかし、創作活動はそれにとどまらず、既存の著作物を基に新たに創作された「二次的著作物」も多く存在します。この記事では、... 大熊 裕司
著作物性 翻案創作性二次的著作物依拠性 著作物の個数 2022年12月14日 著作物の個数を意識的に検討したり、判決で具体的に言及されることは少ないですが、著作物の個数が原告の主張・立証、また被告の反論・反証にも影響することがあり、著作物の個数を意識することは訴訟の組み立てにおいても有益だと思われますので、教科書等ではあまり触れられていませんが、著作物の個数について考えてみたいと思います。 創作... 大熊 裕司
著作物性 翻案複製権創作性翻案権 「表現上の本質的な特徴を直接感得する」ことの意味 2022年12月14日 江差追分事件 江差追分事件(最判平成13年 6月28日・民集 55巻4号837頁・判決文PDF・裁判所ウェブサイト)は、以下のように判示しています。 「言語の著作物の翻案(著作権法27条)とは、既存の著作物に依拠し、かつ、その表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ、具体的表現に修正、増減、変更等を加えて、新たに思想又... 大熊 裕司