美術の著作物 翻案二次的著作物翻案権依拠性 「紋次郎いか」控訴審判決を読む――キャラクターの“デフォルメ”が翻案権侵害とされた理由と著作権法28条の射程(知財高判令和7年9月24日) 2026年7月20日 時代小説『木枯し紋次郎』の主人公をかたどった図柄を、半世紀にわたり駄菓子「紋次郎いか」の容器に使い続けてきた――。この図柄をめぐる著作権侵害訴訟で、知的財産高等裁判所は令和7年(2025年)9月24日、請求を棄却した一審判決を覆し、メーカーに約5,600万円の支払いと商品の製造販売の差止めを命じました。 「キャラクター... 大熊 裕司
美術の著作物 創作性二次的著作物模写浮世絵 「模写」に著作権は生まれるのか――豆腐屋事件が示した二次的著作物の創作性ライン 2026年7月28日 はじめに――江戸の浮世絵を「写した」絵は、誰のもの? 江戸時代の風俗を描いた古い浮世絵は、当然ながらすでに保護期間を過ぎたパブリックドメインの作品です。では、その浮世絵を現代の画家が忠実に「模写」した場合、その模写絵は新しい著作物として保護されるのでしょうか。たとえば、誰かが研究者の模写絵を豆腐のパッケージに無断で使っ... 大熊 裕司
美術の著作物 応用美術分離可能性説ファッション 激安ファストファッション事件――ファッションショーは「著作物」か?応用美術の分離可能性説を確立した代表判例 2026年7月28日 知財高判平成26年8月28日 平成25年(ネ)第10068号 判時2238号91頁掲載先:chosakukenhou.jp 論点図 1. 導入――「ショー」そのものは誰のものか 華やかな照明、軽快な音楽、モデルがランウェイを歩き、ポーズを決める――。ファッションショーは、化粧・衣装・アクセサリー・振付・音響・映像が複雑... 大熊 裕司
美術の著作物 応用美術家具TRIPP TRAPP 【詳細解説】TRIPP TRAPP事件―子ども用椅子のデザインは著作物か?応用美術の保護範囲を大きく広げた知財高裁判決 2026年4月19日 【重要な追記(2026年7月)】本記事が扱う知財高裁判決の「個性の発揮」基準は、最判令和8年4月24日(令和7年(受)第356号・第二小法廷)により、現在は最高裁の示した統一基準に取って代わられています。以下の記述は最高裁判決前の議論状況としてお読みください(最高裁判決の内容は「TRIPP TRAPP」最高裁判決の解説... 大熊 裕司
美術の著作物 タイプフェイス書体ゴナU タイプフェイスに著作権は認められるか――ゴナU事件が示した「印刷用書体」著作物性の高いハードル 2026年7月28日 はじめに 新聞広告、書籍、街角の看板、駅の案内標識――私たちが日常目にする文字の一つひとつは、必ず何らかの「書体(タイプフェイス)」でデザインされています。書体デザイナーは、一つの書体を完成させるまでに数年がかりの労力をかけることもあり、創作物としての色彩は決して薄くありません。 では、こうしたタイプフェイスは、著作権... 大熊 裕司
美術の著作物 応用美術設計図 応用美術と設計図の著作物性――スモーキングスタンド事件(東京地判平成9年4月25日)をTRIPP TRAPP最高裁判決から読み直す 2026年6月7日 1 はじめに 工業製品のデザインは、どこまで著作権法によって保護されるのでしょうか。椅子、テーブル、灰皿スタンド、文房具――いずれも機能性と美しさを兼ね備えた「応用美術(applied art)」と呼ばれる領域ですが、わが国の著作権法はこの領域について明文の規定を置いていません。そのため、工業製品のデザインが著作物にあ... 大熊 裕司
美術の著作物 損害賠償著作物性翻案差止請求 キャラクターの著作物性はどこまで?「紋次郎いか」判決を読む! 2025年4月27日 今回取り上げるのは、そのイカ菓子と、時代小説の名キャラクター「木枯し紋次郎」をめぐる著作権・不正競争防止法訴訟です。世代を超えて親しまれてきた二つの“紋次郎”が東京地方裁判所の法廷で正面衝突したました(東京地裁令和5年12月7日判決・裁判所ウエブサイト)。... 大熊 裕司
美術の著作物 損害賠償著作物性翻案差止請求 応用美術か意匠か?布団柄の著作権侵害を否定した大阪高裁判決 2025年2月16日 応用美術か意匠か?布団柄の著作権侵害を否定した大阪高裁判決 大阪高裁令和5年4月27日判決(令4(ネ)745号・裁判所ウェブサイト)... 大熊 裕司
法定利用行為 複製権美術の著作物公衆送信権写真の著作物 ホテルロビーやギャラリー展示の著作権トラブル対策 2025年1月6日 1. はじめに 著作物を購入した場合、その物理的な所有権は買主に移転します。しかし、美術作品や写真などの著作物に関しては、著作権の諸権利ー具体的には複製権(著作権法第21条)、上映権(同法第22条の2)、公衆送信権(同法第23条)、展示権(同法第25条)などーは必ずしも当然に買主へ移転するわけではありません。著作権は著... 大熊 裕司
美術の著作物 損害賠償著作物性差止請求美術の著作物 TRIPP TRAPP事件(第2回・知財高裁平成27年4月14日判決) 2025年1月1日 【重要な追記(2026年7月)】応用美術(量産実用品のデザイン)の著作物性については、その後、最判令和8年4月24日(令和7年(受)第356号・第二小法廷)が統一的な判断基準を示しました。同判決は、意匠法との役割分担を理由に量産実用品へ広く著作権法の保護を及ぼすことを否定したうえで、「量産実用品の全体又は部分における形... 大熊 裕司