著作物性 プログラムソースコード電車線設計 電車線設計用プログラム事件――ソースコードの「ありふれた表現」はどこまで保護されないのか 2026年4月19日 東京地判平成15年1月31日・平成13年(ワ)第17306号(著作権侵害差止等請求事件・判時1820号127頁) 判決文(裁判所ウェブサイト) 1. はじめに――「同業他社のCADマクロが自社製品とそっくり」は著作権で止められるか SI・CADベンダーの実務家であれば、一度は次のような相談を受けたことがあるのではないで... 大熊 裕司
著作物性 データベース不法行為翼システム 「翼システム事件」──データベースに著作物性は認められるか、そして著作権がなくても不法行為で保護される場面とは(東京地判平成13年5月25日中間判決) 2026年4月20日 1. はじめに ある企業が、多大な費用と労力を投じて、自動車の車種・型式・諸元をまとめた業界向けデータベースを構築しました。ところが、ライバル企業がそのデータをほぼそのままコピーして、より安い価格で販売し始めてしまいました。著作権法は、このような「情報の塊」を保護してくれるのでしょうか。 著作権法は平成元年(1986年... 大熊 裕司
判例紹介 編集著作物著作者智惠子抄 「智惠子抄事件」──編集著作物の著作者は誰か(最判平成5年3月30日) 2026年4月20日 1. はじめに 詩集『智惠子抄』。高村光太郎が亡き妻・智惠子への想いを綴った詩を、長年にわたる創作のなかから選び出して一冊にまとめた、戦前から戦後に読み継がれる日本文学の古典です。 では、この「詩集」という一個の編集著作物の著作者は誰でしょうか。個々の詩を書いたのは光太郎本人です。しかし、その中から何をどの順で選び、ど... 大熊 裕司
判例紹介 共同著作物ノンタン絵本 「ノンタン事件」――共同著作物の表示は覆せるか(東京高判平成11年11月17日) 2026年4月24日 1. はじめに 書店の絵本コーナーで誰もが一度は目にする『ノンタン』シリーズ。白い子猫が表紙で笑う初期三部作の奥付には、かつて二人の著作者名が並んでいました。ところが現在、書店で手に取るノンタンには、一人の著作者名しか記されていません。 奥付からひとつの名前が消えた背景には、夫婦だった二人の著作者の離婚と、その後十年近... 大熊 裕司
判例紹介 共同著作物編集著作物著作権判例百選 「編」と書かれていれば著作者か――著作権判例百選事件(抗告審)の射程と実務示唆 2026年4月24日 はじめに 法律書の奥付や表紙に「○○編」と記載されることは多いです。しかし、そこに名を連ねる者が当然に編集著作物の著作者となるわけではありません。この点を真正面から判断したのが、本稿で紹介する「著作権判例百選事件」の抗告審です(知財高決平成28年11月11日・平成28年(ラ)第10009号・判時2323号23頁)。 本... 大熊 裕司
写真の著作物 共同著作者写真ヘアスタイル 「ヘアスタイルコンテスト写真事件」──被写体をスタイリングした美容師は写真の共同著作者となるか(東京地判平成27年12月9日) 2026年4月24日 1. はじめに プロのカメラマンが、ヘアドレッサーのスタイリングしたモデルを撮影します。そこにはモデル、スタイリスト、カメラマン、そして撮影を依頼した出版社と、複数のクリエイティブが関わっています。では、その一枚の写真の「著作者」は誰なのか。髪を作り込んだヘアドレッサーは共同著作者として権利を主張できるのか。そして、コ... 大熊 裕司
映画の著作物 著作者映画製作者宇宙戦艦ヤマト 【詳細解説】宇宙戦艦ヤマト事件―アニメ映画の「著作者」は原作者か、プロデューサーか 2026年7月28日 1. はじめに―国民的アニメをめぐる「著作者」の争い 誰もが知る名作アニメ「宇宙戦艦ヤマト」。そのオープニングテーマを口ずさんだ経験のある方も多いのではないでしょうか。しかし、この作品の「著作者は誰か」という問題が、日本の著作権法史に残る大きな裁判になったことをご存じでしょうか。 漫画家として一般に広く知られていた松本... 大熊 裕司
著作物性 創作性アイディア・表現二分論マージャー理論学問的定義 言葉の定義やフレーズに著作権はある?城の定義事件(東京地判平成6年4月25日)をわかりやすく解説 2026年7月28日 【この記事の3行まとめ】 短い「定義文」は、長年の研究成果でも著作権で保護されにくい――それを正面から判断したのが城の定義事件(東京地判平成6年4月25日)です 著作権が守るのは「アイディア(考え・学説・事実)」ではなく「創作的な表現」だけです(アイディア・表現二分論) 表現方法が一つしかない・きわめて限られる場合は、... 大熊 裕司
著作物性 創作性発信者情報開示事実の叙述傍聴記 「傍聴メモ」に著作権は発生するか――ライブドア裁判傍聴記事件が示した事実と創作性の境界 2026年7月28日 はじめに――その「傍聴記」、誰のものか あなたが注目の刑事裁判を傍聴し、法廷で見聞きした証人尋問の内容を自分のブログに丁寧にまとめたとします。しばらくして、自分が書いた文章と極めてよく似た記事が、他人のブログにコピーされているのを見つけました。「著作権侵害だ。プロバイダに発信者情報を開示させ、削除させよう」と考えるのは... 大熊 裕司
美術の著作物 創作性二次的著作物模写浮世絵 「模写」に著作権は生まれるのか――豆腐屋事件が示した二次的著作物の創作性ライン 2026年7月28日 はじめに――江戸の浮世絵を「写した」絵は、誰のもの? 江戸時代の風俗を描いた古い浮世絵は、当然ながらすでに保護期間を過ぎたパブリックドメインの作品です。では、その浮世絵を現代の画家が忠実に「模写」した場合、その模写絵は新しい著作物として保護されるのでしょうか。たとえば、誰かが研究者の模写絵を豆腐のパッケージに無断で使っ... 大熊 裕司