判例紹介 引用発信者情報開示スクリーンショット知財高裁 他人のツイートのスクリーンショット添付は「引用」に当たり得るか——ツイートスクリーンショット事件(知財高判令和5年4月13日) 2026年8月9日 はじめに X(旧Twitter、以下当時の名称で「ツイッター」といいます)では、他人のツイートをスクリーンショット(スクショ)画像にして自分の投稿に添付し、批評やツッコミを加える光景が日常的に見られます。しかし、ツイートも短文とはいえ著作物になり得ます。他人のツイートを画像として丸ごとコピーして投稿する行為は、著作権(... 大熊 裕司
言語の著作物 翻案複製権依拠性小説 ネット小説の盗作主張はなぜ退けられたのか――SBクリエイティブ刊行小説への依拠性を否定した知財高裁判決(令和8年6月29日・令和8年(ネ)第10024号) 2026年8月8日 この記事のポイント 結論は請求棄却(控訴棄却)。 裁判所は、被告小説がネット公開された作品に依拠することなく創作されたと認定しており、SBクリエイティブ側に盗作があったと認定された事案ではありません 著作権侵害には「依拠性」(元の作品を材料にしたこと)と「表現の同一性」の両方が必要で、どちらか一方でも欠ければ侵害になら... 大熊 裕司
著作物性 著作物性プログラム著作者知財高裁 プログラムの著作権侵害は「著作物の特定」から――ニタコンサルタント株式会社に対する2800万円の請求が棄却された斜面安定解析プログラム事件(知的財産高等裁判所令和8年(2026年)7月22日判決・令和8年(ネ)第10014号) 2026年8月8日 はじめに 研究室や共同研究の現場で作られたプログラムが、企業の業務システムに組み込まれていく――理工系では珍しくない流れです。ところが十数年後に「あの中核は自分が書いた」「無断で改変された」と主張しようとすると、思わぬ壁にぶつかります。自分が書いたはずのプログラムが、いま手元に1行も残っていないという壁です。 本稿で取... 大熊 裕司