X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどのSNSで、自分の写真やイラスト、文章を無断で転載されるケースが増えています。「自分の作品が勝手に使われているが、どうすればいいかわからない」というご相談は、当事務所でも非常に多くいただいています。
この記事では、SNSでの無断転載に遭った場合の具体的な対処法を、法的な根拠とともにステップごとに解説します。
SNS無断転載は著作権侵害になるのか
まず大前提として、他人の著作物(写真、イラスト、文章など)を許可なくSNSに投稿する行為は、著作権法上の「複製権」(第21条)および「公衆送信権」(第23条)の侵害に該当します。
「出典を書けば転載してもいい」「非営利なら問題ない」と誤解されることがありますが、これらは原則として著作権侵害の免責事由にはなりません。また、SNSの利用規約上は他のユーザーの投稿をリポスト(リツイート)する機能が許容されていても、他のプラットフォームからの画像転載は別問題です。
無断転載を発見したときの対処ステップ
ステップ1:証拠を保全する
最も重要なステップは証拠の保全です。無断転載された投稿は、相手が気づいて削除してしまう可能性があります。以下の情報をスクリーンショットで記録してください。
- 転載された投稿のURL
- 投稿者のアカウント名・プロフィール
- 投稿日時
- 投稿の全体が写ったスクリーンショット(日時が表示された状態で)
- 自分の元の投稿(オリジナル)の情報と日時
ステップ2:プラットフォームへの通報
多くのSNSプラットフォームは、著作権侵害に対する通報窓口(DMCA通知フォーム等)を設けています。プラットフォームに通報することで、該当投稿の削除やアカウントの制限が行われることがあります。
ステップ3:相手への直接の削除請求
相手のアカウントが判明している場合、直接メッセージや内容証明郵便で削除を求めることができます。弁護士名義での通知書は、相手に対して強い抑止力を持ちます。
ステップ4:発信者情報開示請求
匿名アカウントによる転載の場合、損害賠償請求を行うためには、まず相手を特定する必要があります。プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求(改正法による「発信者情報開示命令」を含む)を行うことで、投稿者のIPアドレスや氏名・住所を特定することが可能です。
ステップ5:損害賠償請求
著作権侵害者が特定できたら、損害賠償請求を行うことができます。著作権法第114条の損害額推定規定により、使用料相当額等を基準に損害額が算定されます。
SNS無断転載の損害賠償の相場
損害賠償額は、侵害の態様や被害の程度によって異なりますが、写真の無断転載の場合、以下のような要素が考慮されます。
- 使用料相当額(プロカメラマンの場合はストックフォトの料金表等が参考にされることがあります)
- 氏名表示権侵害による慰謝料
- 弁護士費用の一部
- 発信者情報開示にかかった費用
無断転載を防ぐための予防策
- ウォーターマーク(透かし)の挿入:完全な防止策ではありませんが、抑止効果があります
- 著作権表示の明記:プロフィールや投稿に著作権者であることを明示しましょう
- 利用条件の明示:転載の可否や条件を明確にしておくことで、トラブルを予防できます
- 定期的な検索:Google画像検索やTinEyeなどで自分の作品が無断使用されていないかチェックしましょう
弁護士に相談すべきタイミング
以下のような場合は、早めに弁護士にご相談いただくことをお勧めします。
- プラットフォームへの通報だけでは解決しない場合
- 相手が削除に応じない場合
- 匿名アカウントで相手が特定できない場合
- 商用利用されており、金銭的な被害が大きい場合
- 同じ相手から繰り返し無断転載されている場合
著作権侵害の証拠は時間が経つほど消失しやすく、プロバイダのログ保存期間(通常3〜6か月程度)を過ぎると発信者情報の開示が困難になります。被害に気づいたら、できるだけ早くご相談ください。
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