著作権の権利制限 著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用(著作権法30条の4) 2023年12月1日 第30条の4 著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することと...大熊 裕司
著作権の権利制限 政治上の演説等の利用(著作権法第40条) 2023年7月23日 著作権法第40条は、政治上の演説等に関する権利制限規定です。 公開して行われた政治上の演説又は陳述及び裁判手続における公開の陳述について、国民が広く知ることができるように設けられた規定です。 裁判手続きについては、行政庁が行う審判やその他の準司法的な手続きも含まれます。...大熊 裕司
美術の著作物 漫画の著作物について 2023年7月23日 漫画については、一般的には美術の著作物の一つということになりますが、漫画にはセリフがあり、ストーリーもあることから場合によっては言語の著作物としても保護される可能性があります。 漫画については、「ポパイ事件」と「キャンディキャンディ事件」の2つの有名な最高裁判例があります。...大熊 裕司
美術の著作物 美術の著作物とは(著作権法10条1項4号) 2023年7月23日 美術の著作物については、純粋美術だけに限定されるか、応用美術も含まれるかという議論があります。応用美術品に対して、意匠権の重畳適用を認めるかということも議論となっています。いまのところ美術の著作物について応用美術が含まれるかどうかについて、最高裁判例で真正面から判断したものはありません。...大熊 裕司
メディア掲載 フジテレビ「めざましテレビ」の取材を受けました(2023年4月18日) 2023年4月27日 大阪府などがIR推進のために制作した完成イメージ図や動画に、アーティストの奈良美智さんや現代美術家の村上隆さんの作品が無許可で使用されていた問題について、著作権法の観点から解説しました。 https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/irsuishin/0000597688.html ...大熊 裕司
著作権の種類 リンクと著作権 2022年12月14日 リンクとは リンクには、大きく分けて、「ハイパーリンク」と「インラインリンク」があります。「ハイパーリンク」とは、文書データなどの情報資源の中に埋め込まれた、他の情報資源に対する参照情報を意味します。リンク元をクリックすると、参照ページとしてリンク先のページが表示される仕組みです。 例えば、私の「虎ノ門法律特許事務所」...大熊 裕司
著作物性 著作物の個数 2022年12月14日 著作物の個数を意識的に検討したり、判決で具体的に言及されることは少ないですが、著作物の個数が原告の主張・立証、また被告の反論・反証にも影響することがあり、著作物の個数を意識することは訴訟の組み立てにおいても有益だと思われますので、教科書等ではあまり触れられていませんが、著作物の個数について考えてみたいと思います。 創作...大熊 裕司
著作物性 ありふれた表現 2022年12月14日 「ありふれた表現」とは 裁判例を見ていると、ある表現の著作物性(創作性)を否定する場合の表現として「ありふれた表現」という言い方がされます。「創作性が認められる」ことの裏返しの表現なのですが、そのように言われた表現者からすると、気持ちの良い表現ではないことは間違いありません。 「ありふれた表現」とされることが多いパター...大熊 裕司
著作物性 「表現上の本質的な特徴を直接感得する」ことの意味 2022年12月14日 江差追分事件 江差追分事件(最判平成13年 6月28日・民集 55巻4号837頁)は、以下のように判示しています。 「言語の著作物の翻案(著作権法27条)とは、既存の著作物に依拠し、かつ、その表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ、具体的表現に修正、増減、変更等を加えて、新たに思想又は感情を創作的に表現することにより...大熊 裕司
著作物性 アイデアと表現の区別 2022年12月14日 著作物 著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」(法2条1項1号)と規定されています。 すなわち、アイデアがいかに独創的であったとしても、その表現が「創作的」といえない限り、著作物とはいえません。もっとも、この「創作性」は、学術的、芸術的に高度なもの...大熊 裕司