
著作権の権利制限の「プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等(第47条の3)」をテーマに、著作権専門の弁護士がわかりやすく解説します。著作権法に関することはなかなか理解しにくいため、トラブルなどが起きたときやトラブルを未然に防ぐためには著作権の専門の弁護士にご相談ください。
第47条の3 プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において実行するために必要と認められる限度において、当該著作物を複製することができる。ただし、当該実行に係る複製物の使用につき、第百十三条第五項の規定が適用される場合は、この限りでない。
2 前項の複製物の所有者が当該複製物(同項の規定により作成された複製物を含む。)のいずれかについて滅失以外の事由により所有権を有しなくなつた後には、その者は、当該著作権者の別段の意思表示がない限り、その他の複製物を保存してはならない。
本条は、プログラムの著作物の複製物の所有者が当該著作物を電子計算機において実行するために必要限度において当該著作物の複製ができるように設けられたものです。具体的には、プログラムの滅失や毀損に備えてバックアップをとることや、ソースコードをオブジェクトコードに変換する際に複製する場合などが本条の適用の対象になります。
著作権法上のプログラムについては、2条1項10号の2で「電子計算機を機能させて一の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたものとして表現したもの」と規定されています。
著作権法上のプログラムの著作物の保護は「著作物を作成するために用いるプログラム言語、規約及び解法に及ばない」ということが法10条3項において規定されていますが、これは誰がやっても結果に対して差がないような創作性がないものは保護対象にならないということを意味しています。
また、本条が適用される主体は、プログラムの著作物の複製物の所有者にかぎられ、貸与された者は該当しません。また、113条5項の違法なプログラムの複製物であることを知ったうえで所有している所有者に対しては、本条は適用されません(本条1項但し書)。
「必要と認められる限度」となっているので、プログラムの著作物が収められたCD―ROMを会社で1枚購入したのを社員全員に複製するような行為は本条が適用されないものと解されます。
平成30年に著作権法が改正される以前は、1項の条文は「当該著作物の複製又は翻案をすることができる」となっていました。平成30年改正で翻案の文言が1項から削除されましたが、翻案による利用が可能なことは、47条の6第1項6号で規定されています。
なお、所有者が滅失以外の理由で所有権を有しなくなった場合には、当該著作権者の別段の意思表示がない限り、その他の複製物を保存してはならないことになっています(本条2項)。
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